続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

町工場にて

うわあ、明日からもう師走なのか。

飛ぶように毎日が過ぎていくな。日々しっかり生きねば。

 

昨日は、町田。

まずまず良い取材ができて、気分が良かった。インタビュイーの町工場の社長さんが良い方で、取材後もひとしきり話し込んでしまった。

私は製造業のプロフェッショナルの方が働いているものづくりをしている場が好き。そこで働く人たちに好感をや憧れを抱くことも多い。基本的に職人という人種が好きなのだ。

昨日は塗装業だったので、シンナーっぽい臭いがうっすらどこにも充満していて、頭がうっすら痛かったけれど。

 

ただ、いわゆるブルーカラーの現場では、自分のやっていることの値打ちに気付かず、全然誇りを見出せず、嫌々やっている人にもたびたび出くわす。

もったいないなあと思うが、お金や社会構造面で不利益をこうむったり、世の中的な価値観で軽んじられたりってこともいろいろあっての嫌々なんだろうから、しょうがないし大変なんだろうな、と思う。

 

昨日の社長さんは、変に熱すぎないが思いや誇りがあり、現場の若者に対しても少しも偉そうなところがなく、雑談の中では「このままじゃ日本の製造業は立ち行かなくなると思っている」と真剣に憂いていた。

 

製造業は、技能実習生の問題や、若者の雇用などもすごく身近だ。

「日本の若者はやる気あるんだかないんだか分からないし、口答えする言い訳の口だけはたつ。外国人は皆目の色が違う、素直だし」

 

「技能検定で普段何してるかって技能実習生に訊くと、一日中板金を上げたり降ろしたりするだけ。何の技術も学べてないようだ」

 

「その子(フィリピンの実習生)にしたら、日本では単純労働ばかりやらされて、実際に技術は得られなくても、日本で技能検定をパスしたという証明書があることが重要なのだって。それで本国で就職が全然変わってくるらしい」

 

「外国人の労働力は安いといっても、住居を始めとしたさまざまなケアが必要で、結局日本人とコストはあんまり変わらないってことにどんどんなってる」

 

「意欲があって素直な外国人の方が日本人より良いと思うけれど、今のままでは5年で返されちゃうでしょう。うちみたいな特殊な技術は10年かけて育てるから、それじゃあ採れないねってなっちゃう」

 

「でも今に社員はみいんな外国人ってことになってしまうのかもね。そうしたら俺も英語で喋んなきゃなんないってなるのかな?」

 

「休み多くて残業なくて給料もアップしました♪みたいな広告を人材派遣がどんどん出しているでしょう。仕事って何なのかという本質的なことを置き去りにしてどんどん煽る。これでは勘違いする若者が増えるばかり」

 

うーむ、これ、まあ私の意見としては全部社長の言われる通りですね、とはとても言えないのだけど、貴重な要素をたくさん含んだ意見だと思う。

何より、彼の目に映るこれがありのままの現実のひとつなのだ。

 

技能実習生の問題は、今毎日新聞をにぎわせていて、私も彼らを取材したことがあったので、ずっと気になっていた。

 

どう考えても矛先は、過去最高収益を続けながらも待遇改善を全くやろうとしない企業にあるのに、誰もそこは責めない。

生活が成り立たないゆえにその仕事に誰もエントリーしないことを企業が勝手に「人手不足」と呼んでいる。

 

それで、劣悪な条件でも文句を言わずに働く人を仕入れよう、というのが今回の移民政策の趣旨ゆえ、今政治はめちゃくちゃ強引なことをして、外国人が人権を守れない奴隷的状況を据え置いたままに合法にしようとしている。

だってそうでないと、「意味がない」から。

 

その本音を伏せたままことを進めようとするから、意味不明な齟齬が起きているのだなあ。

考えさせられた。