続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

最近の韓国について思うこと

この秋見たい劇場公開の映画のひとつに、韓国映画の「1987、ある闘いの真実」(チャン・ジュナン監督)がある。

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このところ興味を持って見ている国は、文在寅政権後の韓国。もうすぐやっと1年半が経過するけれど、良いリーダーに変わると国ってこんなにも良くなるものなのか、と驚きをもって見ている。

 

戦争でなく平和の方向に地道に進み、登用されるべき優秀な人々がリーダーとして登用され、独裁ではなく現場の自由裁量が増加し、社会的ソースを注ぐべきところにきちんと注ぐことで、目覚ましいスピードで開かれた国になり、インテリジェンスが次々と開花している。日本が逆のことしかしてないの、分かりやすすぎてすごい…

 

日本国内では、文政権に対して懐疑的のみならず、貶すような論調が多く見られるけれど、素朴に意味が分からない。

コンプレックスなのかな。「彼が何を為しえたか」をただフラットに見れば良いと思う。

 

かつてのイギリスのように、今の日本はいかに上手にダウンサイジングしていくかというフェイズにあるのは明らかだ。

総活躍!とか経済成長!オリンピック!とか、あまりに情けない気持ちになるが、韓国の人たちにおいては大変な思いを胸に成熟し、勝ち取った平和と正義だと思うと、心から尊敬するし、祝福の思い。

 

 

今年見た映画でもっとも心に残った作品のひとつに「タクシー運転手 約束は海を越えて」があるが、(以前書いたレビュー ↓)

http://beautifulcrown7.hatenablog.com/entry/2018/06/30/215941

 

この作品も「1987〜」も、文政権だからこそ製作された作品。繰り返しになるが、あったことをあったことと認めることなくして成熟はない。

 

 

今朝ツイッターを眺めていたら、内田樹さんがこんなツイートをしていた。ちょっと長いが引用します。

 

韓国社会の急激な変化、市民たちの主権者意識の強まりについて日本のメディアはほとんど報道しません。

驚嘆すべき教育改革についても、若者たちの帰農傾向についても、それらのトレンドが「何を意味するか」を問わない。

韓国が日本に先行しているという事実を知りたくないからでしょう。

 

フォーリン・アフェアーズ・レポート」の今月号の巻頭論文は「中国の未来と韓国の現在」というものです。

習近平の2018年と朴正煕の1972年の「相同性」を論じたものです。

論の当否は措いて、そこでは韓国が東アジアで最も成功した民主国家モデルであるということが「自明の前提」になっています。

中国は80年代の韓国民主化闘争のような政治的自由を求める市民の抵抗に遭遇するだろうという見通しに簡単には同意できませんが、韓国民主化についてのこのような高い評価が国際的に定着してきていることについて日本人はあまりに知らなすぎるのでは。

 

僕は毎年韓国に講演旅行に行ってますが招聘元は各教育区の教育監です。

日本には僕を講演に呼ぶ自治体の教育委員会は一つもありません。

別にいいんですけどね、彼らが韓国や中国から講師を招いて話を聞いているというのなら。でも、そんなことやってないでしょ?

隣国がどういうふうに教育改革を進めていて、どういう成果をあげているか、あるいはどういうふうに失敗したか、それに全然興味がない人たちが「グローバル化に即応した教育」とか言ってることを「変だ」と思わないとしたら相当「変」ですよ。

(2018年9月12日のツイッターより)

 

 

 

2010年の「辺境ラジオ」を聴くと、雑談のなかで最近の韓国事情、英語を流暢に扱える人かということをひとつの物差しにした韓国の階級差の拡大のことが語られていた。隔世の感あり。

 

また、名越先生が「親が『ぼくも殴られて育った』という言い分で、たった1世代で子どもを殴って育てるという【伝統】ができてしまうんです」と言っていたのが印象深い。

 

だから、構造・慣習・文化の良い変化も悪い変化も、思うよりずっと早いものなんだと思う。どんな時にも希望があると同時に、良くなったとしても、すぐに悪くもなりうるから、安住できるものでもない。

 

 

最近のテレビを見ていて、何にも分からなすぎて怖い。

何が正しいか正しくないか以前に、不必要なことを拡大し、必要なことを伝えないことが多すぎるように思える。

あまりにめちゃくちゃなので、マジョリティーにおいても与えられた情報を盲目的に信じるというメンタリティーはさすがに壊れつつあると思うが。

注意深くソースを選んで冷静な知識を積み上げていかねばと思う。