続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

全米オープン話

このところ、連日早起きして全米オープン三昧。

錦織選手、「ジョコビッチの呪い」の壁は厚いな。

技術的なポテンシャルがいくらあっても、テニスでトップに行くには、本当にメンタルが左右することを痛感する。もひとつメンタル面で変化がないと、今後キャリアは緩やかに下降してゆきそうだ。

あの天然さが良さでもあり、弱みでもある。

 

でも個人的には、もし錦織がジョコみたいになったら、あんまり興味がなくなってしまうかもなあと思ったりする。

もともとそういう人ならいいけれど、全然違うキャラクター、勝つためにその人間の良さを捻じ曲げてまで勝てる人になるのは、人として果たして幸せなことなのかなあ?

 

ジョコみたいなスーパーサイヤ人並みに強靭なメンタル、相手を完膚なきまでに叩きのめすという闘志、ロボット的にすら思える完璧な自己管理は、本当にプロとして尊敬に値するけれど、人間的に愛すべきキャラクターかどうかというと、いささか微妙。

 

今回の全米のセミファイナルの会場も観客は錦織寄りだったけれど、ジョコの試合見ていると観客が「ジョコじゃない方」を応援しているケースを結構色々な会場で見かける。

知的でユーモアがあって、とてもチャーミングなジョコ。どの会場でもその国の言語でペラペラと洒脱な優勝スピーチをするジョコ。中国語さえちょっと話す。

あんまり完璧すぎる人を人はどこか好きになれないんだよなあー。

 

 

自分に負けた感ある錦織選手と対照的に、大坂なおみ選手はメンタルに打ち勝って歴史を作った。お見事だった。

アマゾネスみたいな迫力の絶対王者の対戦相手が目の前で怒鳴り、わめき、ラケットを叩きつけて破壊し、涙を流して地団駄を踏んでいるという、見ていてハラハラするような状況の中、やるべきことをしっかりとやるんだという姿勢を貫いて静かに勝ち切った。

 

 

セリーナにも言い分はあると思うけれど、もう本当ーに最悪の空気感の会場だった。いくら試合後セリーナが笑顔でハグしても、大坂選手にはフレンドリーであっても、そりゃないぜ、と言いたくなるような優勝セレモニーの時間。

 

優勝後もブーイングが止まらない客席に、ベソをかきながら「みんなセレーナを応援していたのにこんな試合の終わり方になって残念です、ただ、試合を見てくれてありがとう」と大坂選手が言うと、さすがにハッとして拍手を贈っていた会場であった。

素直でてらいのないキャラクターがとても可愛らしいなといつも思う。

 

4歳からアメリカで暮らし、両国籍を持つ。自分のホームで、外国人として満場アウェイという状況の中、勝ち切った。

今は華々しく勝っているから「日本人初の快挙」とあちこちで騒いでいるけれど、大坂選手という複雑なアイデンティティーを持つひとりの才能あるプレーヤーの快挙であって、「日本人がすごい」んじゃない。

という、当たり前のことを言いたくなるような、いつもの手のひら返しっぷりだなあ。ま、言っても始まらないが。

 

とにかく素晴らしい躍進ぶり。危ういくらい脆いところがある選手だったのに、メンタル面で自信をつけて安定したことが大きかったことは確実。

錦織選手にちょっとサーシャコーチを貸し出して欲しい!