続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

「勝手にふるえてろ」

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2017年/大久明子監督/117分

 

想像以上に面白かった。監督もカメラマンも女性、女性の感性の映画。

 

松岡茉優がなにしろ上手かった。主人公のヨシカは、妄想癖のこじらせオタク女子。独特で素っ頓狂なキャラクターのようでいて、実は現代の日本の女の子ど真ん中でもある。身の回りにいる、不器用な女の子たちととっても普通に重なるのだ。

だからこその難しさがあったと思うのだけど、松岡茉優はどーんと「これは、あたしだ」という開き直った迫力で、まさに体当たり(この表現好きでないのだけど、こうとしか)でヨシカを演じて、こんな独特なキャラクターでありながら、身近なリアリティーがあって、かつチャーミングで素晴らしかった。

一歩間違えば総スカンの一人ピエロになりかねない怖い役、でも演じがいのある役どころだったろう。

 

コメディエンヌ出身の監督だけあって、笑いと間のセンスがさすがで、ギミック的な編集もあって、最初から最後までエネルギッシュで飽きさせない。最初の5分で「もうーこれ好き!」とうきうきするくらいの高揚感というかパワーがある。

 

久々に恋愛映画を堪能した、という気持ち。

だんなさんは「フィッシャーキング」の階段での告白のシーンだったね、まるでアマンダ・プラマーロビン・ウィリアムズだったと言っていた。

何度見ても涙が出ちゃう最高のラブシーンである「フィッシャーキング」のあのシーンみたいに、恋愛というものの必死さとこっけいさがないまぜになった愛おしさ。人間の可愛らしさがぎゅうっと詰まったクライマックスだった。

 

117分というわりに、何故か妙に長く感じるのが不思議なのだけど、女性には「まあ見てみて。損はしないから!」の一作。ある種の男性はげんなりしてしまうかもしれない。

 

勝手にげんなりしてろ、であります。