続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

「愚行録」

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DVDにて鑑賞。

 

いわゆる「イヤミス」というジャンルの作品。

日本映画にはこのテイストの作品が一定数あって、最近見た中でも「淵に立つ」や「彼女がその名を知らない鳥たち」などがあるけれど、個人的には好んで見ない。(李相日監督作品は別格だけれど)

 

イヤミスのテイストにもう飽きたということもあるし、この作品のように主人公が記者で、真相に迫って行くというような筋立てにもオーソドックスの感あり。作品によっては、もったいぶったアンニュイさに鼻白んでしまうことも。

 

しかし邦画において、高校生の純愛ものと並んでイヤミスが作られ続けているのは、こういう陰鬱なものを好きな人が多いゆえなのだなあと思う。

 

 

そんな調子で見だしたものの、この作品まずまずだった。妙に心に残る手触りを持つ。

撮影にポーランド人を起用したことが良い効果を生んでいる。外国人が日本を撮った時に、なぜかすごく新鮮に目に映るということがあるけれども、この作品でもはっとするような美しいシーンがいくつもあって、独特の静謐さや間が、作品を厚みのあるものにしていると思った。

また、役者の個性をよく生かして引き出している感があって、監督の技術と演出力の高さを感じる。

 

しかし、何より満島ひかり。クライマックスにものすごく長い独白のシーンがあるけれども、彼女でなくては到底成り立たなかったと思う。

憑依型の女優で、その危うさも含めやはり今の日本の若手女優では一番のひとりと思う。

震えるようなひたむきさに日本のどこかにいる光子をありありと思い、胸が締め付けられた。