続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

死んではいけない

遠いどこかで誰かが自殺をしても、世の中は今日も事もなく動いている。

 

なんとか締め切りぎりぎりに仕事を仕上げて、さあ、がちがちの体をほぐしに行こうっと、とばたばたジムへ行く準備をしていたら、だんなさんが

「ああ、とうとう自殺者が出たね」とパソコンの画面を見ながらつぶやく。

 

見ると、近畿財務局の男性が死亡のニュース。

思いがけないくらいうらさびしく、悲しい気持ちになった。

こんなことで、人は死ぬべきじゃないんだ。

 

数日前、国会で山本太郎氏が答弁でこんなことを言っていた映像をインターネットで見た。

 

「工作に関わっていたとしたら。

 官僚のみなさん、もうやめたほうがいいですよ。

 価値がないです。一緒に沈む気ですか?

 情報隠しのため、このまま自分の命まで奪われかねないような状況になっちゃったら、もったいなすぎる。

 あなたは、この国に生きている官僚のみなさんは、この国をもう一度立て直すためにも必要な人材なんですよ。

 今持っている情報があるのだったら、ぜひ出していただきたい。

 そしてちゃんとした国づくりのために、力を合わせていただきたい。

 けして、自分の命を無駄にするようなことはしないでいただきたい。」

 

いつも、彼の答弁の時は、ひどいヤジが飛び交うことが多いのらしいが、この時は、誰も声を発さず、静まり返っていた。

 

 

自転車を漕ぎながら隣りの公園を眺めれば、笑顔でボール遊びをする小さい男の子。ハクセキレイ梅の花。空気に春の匂いがまじっている。

 

振り払うみたいにヨガで汗をかいて、ごしごし体を洗っても、やっぱり悲しい気持ちはすぐに思い出された。

会ったこともない人の死に対して、こんな気持ちを感じる自分は、どこかおかしいんだろうか。なんとも説明のできない、胸がふさぐような、憂鬱な気持ち。

 

サウナに入ったら、テレビで「佐川長官辞任の意向」のニュースが速報で流れていて、頭にタオルを巻いたおばちゃんたちが口々に元気に怒っていた。

「ねえ!あの偉そうな態度ったらないね!座り方だってこーんなん(足を組んで腕を組んでふんぞり返る仕草)だからね!(画面には麻生大臣の映像)」

「ほんとよお!」

「えっらそうにねえ!」

 

おお、おばちゃんたちも怒ってるのか。その元気さにも励まされるような感覚で、何だかほっとした気持ちになってしまった。

 

嘘に嘘を塗り固めて、今ややぶれかぶれ。いくつものルールや秩序が踏みにじられ、たくさんの人の誇りが奪われ人生を損なっている。そして、人死にまで出てしまった。

そうまでして、守りたいものとは一体なんだろう?

ただただ、亡くなった方のご家族のことを思うとやりきれない気持ち。

 

亡くなった方の遺書を、口外しないようにと家族が口止めされたという。

「システム」とは、本当に恐ろしいものだな。

私はこれからも、ひとりひとりの人と向き合うことを基本とし、システムなんて信じないぞ、と心に誓う。