昨夜、テレ東でたまたまやっていた。
「マー(わたしのこと)、これ見に行ってたよね。いい映画なの?」と我が家の小5
女子、おっちんに言われ、
「めちゃめちゃいい映画だよー。見る?」と言って、もう寝なきゃいけない9時から母子で見始める。
もう遅いから適当なところで切り上げて、と思っていたんだけれど、作品の力が強すぎて無理だったー。11時過ぎて、忘年会から帰って来ただんなさんに夜更かしを怒られる母子。
おっちんは泣きすぎて目が腫れて、ティッシュも1箱使い切って大変なことに。ゆうたもねばっていたけれど明日も朝練なので、途中から録画してから寝る。
おっちんの感想。
「この人(お母ちゃん=宮沢りえ)、何人の背中押してんのー(泣)」
おお、と思う。この映画を一言で言い切ったな。
2度目を鑑賞した私の感想としては、
この短い時間によくぞここまでてんこ盛りに。というものであった。
「この家族みんないろいろありすぎ」と、おっちんも言っていたけれど、舞台装置としては、非常に分かりやすいメロドラマなのだ。
なのだけど、何せ熱い。湯を沸かすほど熱く、湯が溢れんばかりの愛があるから、その本気の気迫に誰もかなわない。宮沢りえはもちろんのこと、子役2人がものすごく素晴らしくて、心から役柄に寄り添っているので、もう他の全ては吹き飛んでしまうくらいの説得力を持って見せ切ってしまう。
監督の思いはとにかくぎゅうぎゅうと詰まっていて、次作はどうする?と思うくらいに、全てを出し切り注ぎ込んだ脚本という印象。出し惜しみなしが過ぎて、いささか詰め込み過ぎの感もあるし、前回見たとき同様、演出面でおやっと思う所は特に後半部分はかなり散見される。
でも、ものすごく誠実で優しい。それが一番大事。愚直なまでの誠実さはこの映画の宝。
そして、この映画を一段高い場所に押し上げているのは宮沢りえの「座長」としての力もあると思う。彼女の存在感が作品の素朴な良さを損なわず、作品の格を高めている。子役がここまで素晴らしいのも、宮沢りえの人間力は大きいと思う。
とにかく、最初から最後まで泣きどころ満載の作品。おっちん泣きっぱなし。
「これには誰も泣かずにはいられんでしょう」というど真ん中のエピソードを、怒濤のように次々に投入していく。確かに誰もが泣くでしょう。
でも、あんまり分かりやすいことをするのは、その場ではやっぱり泣かされてしまうんだけど、後で腑に落ちない気持ちにさせられる。
前回この作品を見に行った帰り、だんなさんに
「泣いたからって勝ったって思うなよ」
という変な負け惜しみを言って笑われたっけなあ。
でも、鮎子がおしっこをもらしてしまうシーンはとても好きだ。
良い映画をもう一度見るのは、いろいろ興味深い発見もあって面白いな。