続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

「ブルージェイ」

今日も良いお天気。

ゆうたは今週中間テストなので、部屋にこもって試験勉強をしている。超!めずらすぃー。

おっちんは家で退屈してわなわななので、組み立て前のクリスマスツリーを押し入れから出してあげた。

今は熱心に組み立て、飾り付けをしている。ご機嫌で口笛を吹きながら作業しているので、ゆうたがうるさくって集中できない、と文句を言っている。

 

今日はこれから構成案をふたつ作って、後はのんびりだらだら過ごそう。

 

 

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「ブルージェイ(青い鳥)」Netflixオリジナル。2016年作品。

このところのネットフリックスのオリジナルコンテンツの充実ぶりはすごい。

先日書いたノア・バームバックの新作「マイヤーヴィッツ家の人々」もそうだし、本当にすごい勢い。とても見きれない。

 

アメリカは実にお金に正直だし、どんどん映画に見切りをつけて、映画でできないことをネットフリックスというフィールドで、みんなどんどんやっているという流れ。

「できないこと」にはいろいろな種類があるが、それぞれに。

 

この作品は、約80分の小品。キャストもほぼ主演の2人のみで、全編モノクロ。一見とても地味な作品だ。上手だけれど有名な俳優ではないし、アメリカの田舎町を舞台に、それほどお金をかけずに作られているのだろうなというかんじ。

 

けれど思いがけない程、心を動かされる素晴らしい作品だった。作り手の思いやセンス次第で、何も大規模にやらなくっても十分良質な映画は作れるのだという、お手本みたいな作品。「掘り出し物」という言葉がぴったりだ。

 

 

先日の「ギフテッド」などは、本当に万人に伝わる真っ直ぐなメッセージの映画で、それももちろん良いのだけど、こういう、ある程度の年齢を重ねた人たちにこそ響く、ものすごく微妙な人の心の機微を描いたものを見ると、とても心が心地良くしびれ、満たされる感覚がある。こういう作品は今なかなか多くはない。映画では作れないんだろう。

 

ノスタルジーの映画なんだけれど、ノスタルジーだけでは言葉が足りない。心のひだのもう一つ深くに沁み入る。こんな風に心を動かされるのか、と目が開かれるような感覚がある。思いがけない自分の心の動きに戸惑い、人間が愛おしくなる。

 

こんなに繊細に心の動きを丁寧に描き、その心の機微のやりとりだけで相当じっくり見せてくというのは、役者が本当に上手で演出的にも質が高いゆえ。少しも陳腐にならずに見事だと思う。ラストシーンは、リスキーなくらいに微妙なやりとり。素晴らしくて泣かされた。

 

人の持つ、強さと弱さ。それを瞬時に補い合う男女という生き物の関係性のある種の完璧さに心打たれ、けして巻き戻ることのない人生の時間の峻厳さにも胸が締め付けられる。

 

そして、若い頃の格好悪いことを共有している間柄というのは、ある意味最強の関係性だな。どんなに離れていたって、一瞬でその年齢に戻り、その場に引き戻される。

なんてかけがえのないものなんだろう。