続・みずうみ

映画のことを中心に、小さく平凡な毎日の中で自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

朝のルーティーン

早朝5時に目覚ましが鳴る。

今日は早い時間から都内で撮影なので。

私も駅まで送るためにしばらく後に起きる。

 

おっちん(小5の娘)はいつも通りすでに起きていて、ちょうど「じゃあ散歩行ってきますー」と靴を履くので、

「私も行こうかな」と言うと「うんうん!」と嬉しそうな様子。

 

2人でまだ暗い近所の道を、お稲荷さんを祀っている小さな神社までおしゃべりしながら歩く。

もう電気が点いている家あるねえ、と言うと、おっちんは毎日歩いているので、早起きのお家はあすことーあすことー、とあらかた近所のことを覚えてしまっている。犬の散歩の人とかも。

 

神社に着くと、鳥居の前で一礼して、祠の前の目つきの悪いきつねの像の頭ををよしよし、と一匹ずつ撫でる。それから用意しておいた10円玉を賽銭箱に入れてぱんぱんと手を叩き、なにやらムムムと祈っている。お祈りが終わると礼。また2匹の頭を念入りに撫で、鳥居で一礼。これがおっちんのルーティーンらしい。

私は適当に横で手を合わせたりしつつ、面白い小5だわあ、と思いながらおっちんを見る。

 

「今日も何事もなくうまく行きますように、先生に怒られませんようにとか祈ってるの。そうすると何となく悪いことなく一日が過ぎる気がする。」

「今はまだ暗いけれど、帰り道だんだん明るくなってくるんだよ。」

 

きんと冷えた小さな手を握って歩きながら、おっちんが隣で前を向いたまま言う。もう柔らかい赤ちゃんの手ではなくって、随分しっかりと分厚く弾力のある、力強い手になっている。時の過ぎるのがあっという間過ぎて、さびしいが頼もしい。

 

帰り道、空がだんだんと白んできた。

帰宅後はちょうどNHKの「テレビ体操」が始まる時間で、生真面目にテレビの動きに合わせて熱心に体操をし、自分で朝ご飯を作って食べ、ちょうどいい時間に兄を起こし、家中の燃えるごみを集め、ひとつも焦らず友だちとの待ち合わせの5分前にごみ袋を片手に家を出て行った。

 

私から細胞分裂したのに、行き当たりばったりでだらしない私にはひとつも似ていないすごい人・おっちん。どんな大人になり、どんな事をやる人生になるんだろう?邪魔しないように気をつけながら、わくわくと見守るだけである。