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続・みずうみ

小さく平凡な毎日の中で、自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

イライラウーマンのこと

時間泥棒は、灰色の男たちは、一体どこに隠れとるんだ。

我が家にも何人か潜んでいる筈だ。

 

さっき、息子を車でオケの練習場所まで送っていった。

部活のイベントが週末立て続けに入っているせいで、オケの日は部活休むという話だったのが、休めない上に朝練まで加わり、疲れたの愚痴を超え、放心状態でぼーーっとしている息子。オケはオケで、来週3日に鎌倉合奏祭があり、休めない。

こんなん嫌だ、疲れるよーと息子。だから早よ(部活辞めるって)言いなさいよー、と私。

 

帰り道、携帯が鳴って、見るとまる二日連絡が取れなかっただんなさん。「今日も(帰宅は)無理。地獄です。」とだけ書いてある。

「地獄」って文字づら、強っ!と思い、思わず画面を見て笑ってしまってから、ふーーーー、と深くため息。

 

そして私も私でデイサービスから帰って来てから、仕事メールの応酬だもの。

娘だけがのびのびとマイペース。機嫌良く歌ったり踊ったりしている。ふふ、かわいいなあ。

 

 

昨日のインタビュー、とても良い時間だったのだけど、クライアントが同行していて、とてもぎすぎすした忙しそうな若い女性で。

 

私はインタビュイーに心を開いてもらうこと、とても大切に考えていて、「その人自身の核」みたいなものを自分なりにつかむことを、インタビューする際は常に念頭に置いている。その人が何を大切にし、何に喜び何に苦しんでいるのかをつかむことが、肝だと思っている。検索して調べるような情報だけなら、ネットの海に溢れ返ってる。だからその人となりが何も感じられないような文章なら、自分はあんまり読む気がしないし、と思って書いている。

 

それにぶっちゃけ大してギャラも良くないんだし、せっかくだから仕事でなければ一生会う事もない特殊な人との出会いの時間が少しでもお互いにとって豊かなものになればいいなと思う。

インタビューされる側にとっても、お金もらえるわけでもなし、でも人間誰しも自分のことを分かってもらいたいという気持ちがあって、その人なりに皆切実に生きている。誠実に聴くことで、せめてその部分に応えられたら少しでも豊かだな、と思っている。

 

そして、自分の書く文章は、できればインタビュイーが読んで喜んでもらえるようなものにしたい。

 

そういう自分なりの仕事に対するスタンスは、自分にとってはごく当たり前のことだから、改めて考えたことってなかったのだけど、その「いらいらクライアント」のおかげで、自分は、やはりマジョリティーではないのかあ、今の世の中で。と改めて思い知らされて、新鮮だった。

 

その女性が大事にしているのは、「決まった型」の中での目に見える項目を充たすこと。なるべく無駄なく、早く、合理的に。そして目に見えてキャッチーな情報をゲットすること。目に見えないクオリティーの追求なんて無駄。言いはしないが、そういう姿勢がありありだし、私のインタビューをのらりくらりに感じているんだねえというのが痛いほど(笑)伝わって来た。

 

多分、それはそれで正しい姿勢なんだと思う。コスパだけ考えたら。でもそれ何が楽しくてやってるのとは思うけど。もちろん楽しい楽しくないじゃない、忙しいんだ、やることいっぱいあるんだ、ということなんだろう。

 

加えて、そういう姿勢を追究しても所詮コスパは合わないぜ、とも思う。だって、いけてる大企業の一員のつもりだろうけれど、あなたも取るに足らないコマのひとつとして体よく搾取されている。合理化は搾取の強化を呼ぶだけだ。それが企業というもんなんだよなあ、と元会社員は語る。

だから、デキる人の追究でなく、求められるものはちゃんと提出しながらも、自分なりの自己満足ポイントを追究するのが幸せな働き方なんだと思っている。デキる人を目指しても、多分不幸になるだけだ。

 

まじめでまっしぐらなんだろうなあ、そして自分をデキる人だと思ってるんだろうなあ。彼女の発する言葉って、何かを奪って行くような寒々しさがあるのだ。欲しいものだけ相手から引き出したら、それでもうさよなら、というようなあけすけさ。笑顔で、礼儀正しければ相手にばれないと思ったら大間違いだ。

 

その証拠に、途中からはもう、インタビュイーは彼女が何か尋ねても、私のほうを見て答えていたものな。正面に座っていたのは彼女だったのに、首を斜めにして、最後まで私の方見て喋っていたものなあ。

 

人と人が喋るのって、化学反応だと思って普段生きている。でも、相手を搾取するような会話っていうのがあるんだなあこの世には。と彼女を見ていて思った。

そして、非合理的だが、自分は自分で良いと思った。

 

今回のインタビュイーも素敵な人だったな!とてもさっぱりしていて、偉そうなところがなくて。テレビドラマみたいな世界を生きているのに自然体だったなあ。上司のおじさんは顔がすごかった!滅多に見ないものすごい目つきの人だった。

生き方が顔を作るってほんまや!と思い、わくわくした。今回も面白い話いっぱい。だんなさんに話したくてたまらないのに、いやがらない。それどころか、帰って来たらひたすら聞いてあげなきゃなんだろうなー。ふう。

 

昨日のイライラウーマンも、きっと忙しすぎるだけなんだ。悪いのは灰色の男たちなんだな。失敬な人だったけど、自分の仕事へのスタンスを考えるきっかけをくれたので結果オーライ。望んで会いたくはないけれど、やっぱりやな奴のほうが先生なんだよなー!