続・みずうみ

小さく平凡な毎日の中で、自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

デイサービスの日

朝起きたらだんなさんが横にいなくって、ああーやっぱり帰って来られなかったか。と思った。今、彼は映像の某賞のダイジェスト映像を作る仕事をしているらしいのだけど、いかんせん受賞が決まってからしか動けないという性質上、必然的に作業が短期集中になってしまう。

 

窓のない小部屋で、編集マンとつきっきりで籠って延々作業するんだと言っていた。「いい編集さんだといいね!」と励ますも、あの人はちゃんと寝ないとだめな子だからなあ。だいじょばないだろうなあ。でも、私も私で忙しい〜。

 

こういう心持ち、注意しないとな、と思う。こういう時こそ、気を入れて雑にならないようにしなくっちゃ。日々のご飯や、そうじなどをちゃんとやり、何より家族みんなの話をちゃんと目を見て聴かなくちゃ。こういう時こそ、暮らしを大事に大事にする時だ。

 

あ!という間に今日もデイサービス。「がんで梗塞で糖尿」の方は、結局入院してしまい、来られることはなくなってしまった。素敵な方だったけど。

代わりにチノネさんが来た。男性には珍しく、よく話し、よく笑う、若い頃もてたんだろうなーというかんじのおじさまだ。

コーヒーが何より好きで、先週も食後に豆を挽いて、濃いブラックコーヒーを入れてくれた。でも目がかなり悪くて、豆もお湯もこぼすし、認知もあるから話がなかなか噛み合ないところもある。

 

認知症の方との接し方、どこかでちゃんと技術として身につけたいものだと思う。メカニズムがよく分かっていないので、地雷も分からず、今もおっかなびっくり喋っているところがある。職場の夜の勉強会とかに、家が遠くて子供がいるのを理由に、私は全然出て来なかったから。

 

チノネさんは、ここに来るまで幾つものデイサービスを嫌だって言って行かなくて、家族は手を焼いていた人らしい。うちのデイは、そういう人は多い。そしてそういう人ほど定着する。

一番難しいことなんだけれど、老いて病んだその人が、自分をみじめに思わず、誇りをくじかれずにいられるということをここの人たちはほんとに大事にしてるから。他所を見ると、お年寄りを雑に、あるいは子供みたいに扱っているなあ、とせつなくなるようなケースってほんと多いので。

そういう部分で、ここの人たちの対応は、本当に素晴らしいなと思う。リスペクトのみならず、アプリシエイトという感覚があるからだ。

 

認知が入って来ると、全部がちゃんと大人でいられる訳でもなく、ゲームで負けると激怒したりとか、ものすごく子供じみた部分も出て来たりして、でも誇り高い部分はそのままにある訳だし、色々と面食らう。ちゃんとした知識に基づいた理解がないと、「いらっと」する部分ってやはりあると思うし、家族がきー!となるのって当然だよね〜とも思う。だからこそ、勉強が大事だなあと思う。

 

私は結局いつでも観察人生だけれど、手を動かすということを何はともあれ続けてきたのは良かった。そういう積み重ねだけが正しい矜持のようなものに繋がって行くのだろうな。それでは準備して行ってきます。