続・みずうみ

小さく平凡な毎日の中で、自分が感じた色んなことを、湖のような落ち着いた心持ちで考えていきたいと思います

「間の人」という仕事

またもメールのやりとりや仕事の電話でこんな時間。時間が風のように過ぎて行くなあ。

でも今日こそ意地でもヨガへ行くぞ。もう一週間行けていないもの。

 

昨日はとある協会のトレーナーに取材だった。

今回はブラックなおさんゆえ、先方の詳細は控えますが。

 

インタビュイーは可愛らしい若い女性で、今は修行の身ゆえ、ひたすら仕事を頑張っているのみ、という風情の方だったのだけど、同席した協会理事だか代理だかの女性がものすごく押し出しの強い人で、当てられたみたいになって帰りはへろへろだった。

 

ああいうなあ〜、人ってなあ〜。

悪い人じゃないんだけど、だからこそ始末に負えないっていうか。

平和とか福祉とか、まあいわゆる清い、志の高い仕事に従事している人(それもあくまでも現場ではなく上の立場の人が多い)に散見されるのだが、「世の中的に良いことをしているのだから」というエクスキューズの前に、色んなことをごり押ししても良いと普通に思っている、というある種のパターンがあるように思う。

 

若者を休みも与えず低賃金でこき使うのも、誰かに何かをただで融通してもらうのも、その清い目的の前には簡単に正当化してしまうことができる。

いわゆる「いいこと」って、商売的に成り立ちにくいケースも多いので、方便と言うか納得させるための考え方という部分はどうしてもあるとは思うのだけど、それを分かってやってるかやってないか、というのは大きな分かれ目で、

 

部外者から聞いたら、はあー、完全なブラック企業だよね、というような実態を、曲がりなりにもメディアの人間にむしろ喜々として語るのだから、まあ本当に悪気なく無邪気な方なのだろう。「お金じゃないんです、世の中に尽くしたいという思いなんです」ってなあ〜。正論ではあれど、上の立場の人がそういうこと言っちゃったら、身もふたもないんだけどな。

 

そういうモチベーションでもってしか回っていかない世界があるからしょうがないのか、分からないけれど。でも個人的には違うな、と思う。

 

そして年取るごとに、こういう人とだけはできるだけ喋りたくないぜ、仕事とはいえ、という人種が唯一あって、それは「私をリスペクトしなさい」というメタメッセージをずーーっと発している人だ。

 

実体の少ない仕事をしている人ほど、私のやっている仕事は重要で、価値が高く、自分はいなくてはならない存在だ、ということを強くアピールする傾向があるから、ほんとめんどくさい。

 

今の世の中、仕事を依頼する人と、実質的に作業をする人の間に「間に入る人」が絡んで来るケースが非常に多い。代表的なのは広告代理店とかプロダクションと言われるものなんだろうけれど、こういう人たちは「お客と職人を繋いでその手間賃を抜く」というのがまさしく彼らの仕事なんだけど、そうは誰も言いたくないし、思いたくない。

 

だから、自分の存在価値を示す為に、えてして物事を複雑にするんである。自分の目利きが、クリエイティビティが必要だから自分を間に通さねばならない、というような変な自己主張が仕事を滞らせる例を幾つも見て来た。

自分も独身時代商品開発やマーケティングの部署にいたので、実質的に体を動かしたりものを作るわけでもない「間の人」の自信のなさというか、不安定さみたいなものはよく分かる。

一見華やかで表に立つ仕事だけれど、精神的には寄る辺ない仕事だ。

 

「間の人」には、ちゃんと自分の立ち位置を理解して、実作業する人のパフォーマンスを上げ、物事をスムースに流すよう交通整理し、複雑なことのなかの雑用や雑情報を自分で飲み込み消化して、時には人知れず頭を下げ、仕事をシンプルにする、むしろ報われない下支えがどれだけできるかなんだという理解の人ももちろんいる。彼らの存在意義は、むしろ自己主張やエゴを消し切ったところにこそある。

 

そういう人が「できる人」なのだが、このおばさまみたいにものすごく口が立って、変にいきいきとしており、理路整然と自己主張する人があたかも「できる人」みたいに見なされるところがあるのは、大いなる勘違いだとつくづく思う。

 

自分には全体を見渡して、自分を抑えて、各所の人々の気持ちを酌み、場をスムースに流していくなんてことはできないから、「間の人」にはなるまい、実際に手や体を動かすことをやっていく、と今では思っている。

自分も興が乗ると口がぺらぺら回るから、こういう風にはならないようにしないとな、と自分を戒めた。

 

しかしまー、インタビュイーに一聞くと、その偉いおばさまが横から自分の言いたいこと(大抵質問からずれている)ことを十答え、インタビュイーは曖昧な顔をして黙っている、というようなシチュエーションが頻繁にあって、内心何度もため息をついていた。

 

話の腰を折ることもできないし、話を本筋に戻すやり方も気を使うし、何よりあなたがそんなかんじで横にいると若者は本音を喋れるわけないし〜。

 

でもま、そんなこんなの人間模様も面白かったです。

帰りの小田急の駅で長野帰りのだんなさんから、もうすぐ着くよメール。駅で待ち合わせて、お互いの取材の話を楽しく笑い話にしながら一緒に帰った。